中原中也-1 「春の日の夕暮」

中原中也 「春の日の夕暮」

トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は穏かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです

吁! 案山子はないか――あるまい
馬嘶くか――嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするまゝに
従順なのは 春の日の夕暮か

ポトホトと野の中に伽藍は紅く
荷馬車の車輪 油を失ひ
私が歴史的現在に物を云へば
嘲る嘲る 空と山とが

瓦が一枚 はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言ながら 前進します
自らの 静脈管の中へです



何百回も読んでいます。
でも、意味がわかるのは、
「トタンがセンベイ食べて」まで。

ぺらぺらなトタン屋根に、もっとぺらぺらなせんべい布団を干したのだろうなということかなあ……。
何度も何度も読んでいます。

でも、わからなくてもいいやと、いつも思う中原中也。



(中原中也のこと、また書きます)

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なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

スピーチライターやってます。

「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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