セブンスターから始まった不純

セブンスターから始まった不純


この数ヶ月、どこのコンビニにもセブンスターは、なかった。
そして、そのおかげで僕とロー〇ン店員、澄川メグミは激しい恋に堕ちてしまった。

きっかけは僕の一言だった。
「やっぱりセブンスター、ないよねえ、うーん、何にしようかなあ」
「じゃ、ポールモールとラッキーストライク、どうですか?」
「?」
「ええ、だってタバコって好みがあるんでしょ。一銘柄だけなら、はずれたら辛いでしょ」
……なんてやさしい店員さんだ。僕はその二銘柄に加えて、ラークも買って帰った。

次の日、昨日のロー〇ンへ行ってみた。まだ、昨日のタバコはもちろん残っているが、やはりセブンスターが欲しかったから、ただそれだけの理由で。
「ないよね、セブンスター」
「あら、きのうのお客さん、実は今日、少しだけ入荷して、あっという間に売り切れたんですが一個だけ、お客さんのためにとって置いたんです」
……僕は、彼女が僕の事を愛していることを直観した。しかし、僕は妻子ある身。彼女の燃える思いを受け入れること、それは不純だ。そんなことは、できない。

「あっ ありがとう。でも、これだけじゃ申し訳ないから、ほかにも買うよ」
「じゃ、中南海ってタバコ知ってます?体にいいタバコだそうですよ」
……彼女の微笑み、それは母性だった。僕の体を気遣ってくれていることがはっきりとわかる。

「ほかにお勧めのタバコはある?」
「お客さん、あんまりタバコばっかり吸っちゃいけないでしょ」
……はっ、それは娘に言われる台詞と同じ。ああ、僕たちは禁断の恋愛をしているのか。
「そうだね、タバコは体に悪いよね」
「そうですよ、ファイト・いっっぱあーつ!」

彼女は、まだ幼さの残る笑みを僕に振りかけながら「リポビタンD」と「うこん」と「マカ」を勧めてくれた。
……僕は、生きている意味を実感し始めた。
人生には価値がある。

今ここに、僕の日常の均衡を奪おうとしている「女」(ひと)がいる。

そう、彼女は「澄川メグミ」

はっ

「澄川メグミ」のネームプレートが、新しくなっている。
ああ、君が伝えたいことがわかってきたよ。
僕だけへのバージンネームプレートを用意してくれたんだね。

ありがとう「澄川メグミ」
僕をそれほど思ってくれているのなら、僕は君を取らざるをえないな。

罪と罰
ええ、神様、僕を断罪してください。
僕はすべてを捨てた。
愛に猛進する決心をした。

そして、

握りしめた。
僕は、握り締めた。
余分に買ったオロナミンCを握り締めた。
両手のオロナミンCが、熱く煮えたった。
うおーーーー。
僕は愛に向かって吠え続けた。

そうこうして、この数が月、僕と澄川メグミは愛し合った。

「うん、メグ、今日は何を買おうかな?」
「あら、なわさん」
僕はメグと呼ぶようになった。
そして、メグは僕の事を、なわさんと呼んでくれる。

「新しいプリンが出たの、たべたーい。ねっ、な・わ・さ・ん。(はーと)」
「いくつ欲しいんだい」






以上おわり。




<おまけ>
澄川メグミさんが、コンビニのオーナーの娘だったなどのオチは絶対にありません。




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コメント

澄川メグミさんが、コンビニのオーナーの娘だったなどのオチは絶対にありません。


では、澄川メグミさんのバイト代はノルマ制?(爆)
なわさんは上客さん!(^○^)

まっちゃんさんへ

そして、澄川メグミさんが最近いなくなったと思ったら、澄川じゅりあさんがカウンターに立ってるわけ。その人がまた、ほんとに優しくて……。

商売上手

売上に貢献。

かめさんへ

そして、僕はだまされ上手
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プロフィール

なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

スピーチライターやってます。

「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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