「便利屋さんのお仕事あれやこれや」偽造をしてくれ<もちろん、すぐに断りました>

偽造をしてくれ(もちろん、すぐに断りました)

以前も少し書きましたが、怪しい依頼をしてくる人は「前フリ」が非常に長い。
なかなか用件を言わない。

「何でも屋さんでしょ、何でもしてくれるんでしょ」
こう言う出だしはまず、怪しい!
「何でも、と言うか、便利屋です」
「どちらも代わりはないじゃないですか」
「何でもかんでもしないから、便利屋です」
「そりゃ、屁理屈かね?人をおちょくっちゃあいかん。便利屋と何でも屋のどこが違うんですか?」
相手はフリーダイヤルなので、好きなだけ喋る。

「ところでご用件は?」
「銀行からお金を借りるんです」
「はい、で?」
「ところが使う使途を教えろと言うんです」
「まあ、そうでしょうね?」
「あるいは、使った領収書を出せと言うんです」
「まあ、そうでしょうね。ところでご用件は?」
「だから、領収書が要るんです。でも、無いんです」
「だったら、借りれませんね」
「だから、作って欲しいんです」
ああ、来た!
僕はもちろん、きっぱりと言った。
「領収書の偽造をしろと言うわけでね。それはお断りします」
ところが、相手は引き下がらない。
「自分で作ろうと思いましたが、会社のハンコを押さないといけないでしょ」
「そりゃ、そうでしょう」
「私は個人ですから、会社のハンコなんかありません」
「そりゃ、そうでしょ」
「だから、何でも屋に頼んでいるんですよ」
「だから、何でもかんでもやりません。偽造はイヤです。お断りします」
ガチャ
キリがないので、こっちから電話を切った。

ところが、これで終わらない。
一週間ほどして、また、この人、電話をかけてきた。
「先日の領収書の者です。覚えてますか。じゃ、こう言うのはどうでしょう」
「だから、偽造はしませんってば」
「偽造じゃないんです。聞いてください。私がおタクの会社のハンコを借りる。そして、私が領収書に押す。どうです、これなら問題はないでしょ」
「だから、そう言う問題ではなく」
「どこに問題がありますか?」
「……ところで、どうしてウチなんですか?」
「だから、おタクは何でも屋でしょ」
「だから、ウチは便利屋であって……」

<おまけ>
同業者の方から話を聞きましたが「何でも屋」と名乗るのは良くないそうで、怖い筋の人に「お前、何でも屋なら人殺しでも何でもするんやな」と脅された事があるとか……。
だから「便利屋」と称しているのですが、それでも時折、こんな人も現れるのであります。



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なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

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「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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