書き下ろしブログ不倫シリーズ「死んだ亜里沙の中にいた獣」

書き下ろしブログ不倫シリーズー2

死んだ亜里沙の中にいた獣


妻の亜里沙が死んだ次の日から、見知らぬ女性が、家の前にぽつぽつと佇むようになった。
はじめは気のせいかと思ったが、一週間ほどたった頃から、その数は除々に増えだした。
そして、今日、仕事を終えて自宅へ帰ると、うじゃうじゃと女性が家の周りを取り囲んでいる。

「何かあったんですか?」と、その人だかりをすり抜けながらたずねると
「亜里沙さんのブログどおりの大きさだわー」
と、いきなり股間をまさぐられた。
「亜里沙さんのブログどおりの固さかしら?」
「亜里沙さんのブログどおりの強さかしら?」
女どもは口々にわけのわからないことを口走りながら、俺を触ろうとする。
死に物狂いで家に飛び込み、鍵をかけた。

『何だその、亜里沙さんのブログとは……』
亜里沙が、生前、使っていたパソコンに電源を入れて、その亜里沙のブログとやらをのぞいてみた。

読み始めて、ぶっ倒れそうになった。
亜里沙と俺の営みが、これでもかというほど濃厚に書かれている。
この日記の中での俺は、超絶倫男だ。

朝から昼から夜明けまで、食事中であろうがなんであろうが、亜里沙が嫌がろうが抵抗しようが、むさぼり続けている。
ある時は獣のように、ある時は少年のように。
まさに色情狂(インフォマニア)としか、言いようがない。

もちろん、すべてでっち上げの日記だ。
それどころか、結婚して、すぐに寝たきりになった亜里沙とは、まったくと言っていいほど、そんな行為はなかった。
そんな自分を慰めるために、こんな架空の色話を書いていたのかもしれない。

それにしても、異常なほどのアクセス数を得ているようだ。
パソコンに疎(うと)い俺でも、それぐらいはわかる。
多くのランキングなどにも参加していたようだ。
すべてのランキングで、一位を取っていた。

人気のあるブログだったのか……。
いや、違う、人気があったのは……。


俺だ!!


恐る恐る、窓越しに外をのぞいてみた。

どこかで亜里沙が死んだ情報が流れたのだろう。
女の数は増え続けている。

ゆっくりと時間をかけて、亜里沙のブログを読み終えた。
そして、俺は決めた。
『亜里沙の心の中にいた、獣になってやろう』

玄関のドアを開けた。
と同時に、
無数のメスどもが、俺に覆いかぶさってきた。



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うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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