便利屋さんのお仕事あれやこれや(便利屋さんになるためには-1)

便利屋さんになるためにはーその1(匂いに敏感ではムリです)

「コウベコウベ」
さてさて、いつもの様に転送電話から僕の事務所の電話に無機質な女性のアナウンス。

ところが電話口から飛び出したのは有機質な女性の声。
「あんたとこ、いらん物も捨ててくれるの」
「はい、引き取りもしてます」
「ほな、すぐに来て」
「いえいえ、今からスタッフの空きを確かめて」
「なるべく早よ来てな。住所は…………」
がちゃ

いつもの様に大将にTEL。
「なわないはん、ゴミの種類と量、聞いたか?」
「いえ、いきなり切られてしまって」
「それは不吉な電話や。なわないはん、あんたも出動や」

たどり着いたのは、まだ新しいマンション。
「どの部屋でしょうね」と僕。
「くんくんくんくん、あの2階の隅の部屋に間違いない」
「くんくんくんくんで分かるんですか」
「ああ、もう一回、風がこっちに吹いて来たら……」
「おえっ」

(ここからは食事中の方は読まないで下さい)

「帰りますか?おえっ」
部屋に一歩一歩近づくたびにスエた濃度が高くなる。
しかし大将。
「ここまで来たらやるしかない」

ドアの前にはパンパンに膨れた神戸市指定のナマゴミの袋が約20。
ゴミの重さで下の方のビニール袋はペッタンコ。
廊下に「汁」が染み出している。
「夏場はな、すぐゴミは発酵するんや」
「おえっ」

ピンポンポンポン
「こんにちは。神戸の便利屋333です」
「ああ、ありがとう。さあ、入って」
「おえっ」
『この人、クサイ……』
通された部屋には大型テレビ。
テレビゲームの画面が映っている。
隅っこに小さい子供が3人。
下を向いてゲーム機でゲームをしている。

「なんかね、周りの人がちょっと片付けたら、って言うねん。そやけど、そんなん、自分の家の問題やと思えへん」
「でも、外にナマゴミ出してるのは……」
「仕事の都合でゴミの日に出されへんのよ。そやからあんたに来てもろたんよ」

食べ残しのお菓子の袋。カップラーメンの空の容器。雑誌。ひきっぱなしの布団。ビールの空き缶。ブラジャー。

ハエが飛び交う中、子供たちはおのおのゲームを続けている。

(以下、読者の皆さんに匂いがうつってはいけないので省略いたします)

帰りのトラックに乗り大将は言う。
「ゴミは有機物の王様や。そやから臭い。ほんでから人間も有機物の王様や。そやから臭い。そやけど、人間が無機物になったら匂いがせえへんか言うたら、実はその逆や」

何がなんだか分からない論理だが、何となく分かる気もした。

「ところでな、なわないはん。その服とズボン、全部捨てな。ファブリーズでも取れへんで」
「えーっ、今年かったばかりのTシャツなんですけど……」

そう言えば大将。ぼろぼろのシャツとぼろぼろの作業ズボンだ。

今月で遂に便利屋のお手伝い、1年目。
まだまだ僕は頼りない有機物の僕は、事務所に帰って
「くんくん」とTシャツの匂いを嗅ぎ、
ゴミ箱に捨てた。



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大阪市の「便利屋8787(ハナハナ)」です。 営業所は「ミナミ営業所(住之江区)」と「キタ営業所(福島区)」の二つです! 僕は掃除担当の佐藤です。 大阪市内のお用事

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Author:なわない 【おとなの絵本】

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