コンビニ八景「やきそばパン」をめぐる、コンビニ人生模様-2

コンビニ八景「やきそばパン」をめぐる、コンビニ人生模様-2

第一話 やきそばパン
第二話 あんぱん
第三話 肉まん
第四話 プリン
第五話 コンドーム
第六話 電子レンジ
第七話 うな重
第八話 そして、やきそばパン
第終話 泣くなやきそばパン

第四話 プリン
「疲れてる疲れてる、ほんとに、このおじさん疲れてる」
女子高2年生、ミユこと「プリン」は悲しむ。
パパが生きていれば、このオジサンの年齢ぐらい。
くたくたに仕事で疲れて、お星様になったパパ。
ミユこと「プリン」は、つり革にぶら下がって眠っている吉川こと「やきそばパン」の匂いを嗅ぐ。
今日も同じ匂い。
すえたお酒の匂い。汗臭い匂い。タバコの匂い。醤油とソースの混じったような匂い。そして、やつれた匂い。
おじさん、元気でね。
私は明日も、この電車のあなたの横に立って、パパのことを思うわ。

ミユこと「プリン」は、今朝も、つるんとした心に、吉川こと「やきそばパン」の匂いを嗅ぎ続ける。

第五話 コンドーム
権田こと「コンドーム」は、人生の自信を失っている。
権田こと「コンドーム」は、吉川こと「やきそばパン」に買われだして、自分というものが解からなくなった。
毎週一箱、吉川こと「やきそばパン」に買われていく、権田こと「コンドーム」
権田こと「コンドーム」は、他の「コンドーム」とは違う自負を持っていた。

超々薄型

しかし、吉川こと「やきそばパン」は、自分を三枚も重ね装着する。
じゃあ、なぜ、隣近所の「普通のコンドーム」を買わないのだ?
使い方がわからないのか?
それとも、レジの京子ちゃんに対するけん制なのか……。

もしかすると、他のメーカーの耐久性モデル試用者か?
その可能性が強い。そんな気がする。
とすると、
いつか、スーパー高速ピストンで俺は磨り減って、不合格と言われるのか?
いつか、俺が精一杯膨らんでも、ふくらみ切れないほどの量を受け入れて、
はじけてしまって、不合格と言われるのか?

ああ、また、吉川こと「やきそばパン」がやって来た。

自信を持て、俺。
破れるな俺。

しかし、権田こと「コンドーム」の不安をよそに、
吉川こと「やきそばパン」今晩も5秒。


第六話 電子レンジ
農学部出身の須賀こと「電子レンジ」は、発泡酒と自分がチンをしたパックの竹輪の磯部揚げを同じ袋に入れても怒らない、吉川こと「やきそばパン」の出身大学はどこだろうと常に考える。
農学は短期決戦ではない。稲穂のたれ方。何度も何度も品種を積み重ねた後、偶然生まれる新種。成り行きからの発見。季節と温度。土地柄。
時間の流れを自分の物にしなければならない。
須賀こと「電子レンジ」は、今日も鼻くそをほじりながらチンを待つ吉川こと「やきそばパン」に関心を持っている。
彼の時間の概念。
彼の温度に対する柔軟さ。
そうとう著名な農学者だろう。

そして、須賀こと「電子レンジ」は、畏敬の念をこめて、
コンマ数秒、吉川こと「やきそばパン」のために、チンの音を遅くサービスする。

<解説>
コンビニに佇んで、たくさんの(商品)アイテムたちが、どんな個性なのかなあと思って書いた習作。
明日も続きます。



tin1
<だめだこの絵は失敗。須賀こと「電子レンジ」がオシッコ我慢してるようにしか見えない>


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コメント

見るひとによっては。

くたびれた リーマンのオッサンは おほしさまになったパパをしのぶよすがであったり、自分が尊敬できる数少ないひとではなかろうかと 心うごく存在であったり。

とある都の 知事サンが重度障がいを持つ人たちに会ってみて衝撃を受け、あの人たちは分かるんだろうか、生かしといても、なんかなみたいな無神経な発言したのが ふっとアタマをよぎりましたで。

かめさんへ

出自。それは自分ではないもの。
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プロフィール

なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

スピーチライターやってます。

「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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