「いておかえり」(書き下ろし「ほっ」シリーズ)

「いておかえり」

実家のばあちゃんは、家を出る時、いつも「いておかえり」と言って、送り出してくれた。

「いておかえり」
(行っておいで、そして帰っておいで)

それは、無事で、行って、そして帰っておいでの「往復キップ」

そのばあちゃんの息子、僕の父親は、徴兵を待たずに兵隊に行った。
いわゆる少年志願兵だ。

滅私奉公、お国のために……。

父親も周りの社会がそうであったように、自らの命を捨てることを善とし、玄関を出た。
そんな父親を見送る時も、ばあちゃんは
「死ぬなよ、必ずここへ帰って来いよ」

そんな意を込めて、往復キップを投げたのだろう。

「いておかえり」と……。

明日は、戦争が終わった日。

ばあちゃんは、ずいぶん前に死んだけど、
僕は、この頃になるといつも笑顔で僕を送り出してくれる、ばあちゃん思い出す。


「いておかえり」
「うん、じゃ、ばあちゃん」


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コメント

タバコを、他所に忘れない様に、
「いておかえり」 (^_-)-☆

良い言葉ですよね。
私も子供の頃「行って帰っておいで」と言う意味と同じ言葉で祖母に見送られていました(^_^)

おかんさんへ

たこやきだけでいいよ。
ああ、あと、ビール。

まっちゃんさんへ

このお話は、毎年この日に載せようかなと思ってます。

以前にも読ませていただいたエントリーやけど

改めて 胸にしみますー

まだ学生のころ、NHKテレビで見たのは
秋田の後三年、ゆうとこでは

お嫁ちゃんもらうことなく、出征して最前線に送られ、
亡くならはった青年のために、花嫁人形やその写真などを納棺したり お供えした、という悲しい話し

その地域出身のリアル夫がめと 縁がつくとは、
その当時は 想像もでけんやったのですがー

かめさんへ

なくなればいいのにね。
戦争。
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プロフィール

なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

スピーチライターやってます。

「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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