神様、お願い(その8)

神様、お願い(その8)

「ご褒美だ。よってお前に三つのお願いを叶えてやろう」と神様。

「では、神様。お言葉に甘えまして、
『おんぶ』」に『だっこ』に『かたぐるま』の、三つのお願いを、お願いいたします」

「お前、たしか三十七歳だろ。アホとちがうか……」

「ええ、そうかもしれません。実は私は幼い頃に両親と生き別れて、一度でいいから誰かに甘えてみたかったのです。もちろんそんな事は恥ずかしくて誰にも言えません……。うるうる」

「そうか、わかったわかった、いい歳をして泣くな。願いを叶えてやる」

「うわーい」

「さあ、いいか、では、おんぶじゃー」
「うわーい」

「次はだっこーーー」
「うわーい、うわーい」

「最後のお願いの、かたぐるまじゃー」
「うわーい、うわーい、うわーい」

ありがとうございました、神様……。これで願いが……。あれっ

…………うるうるうるうる

「神様、どうされたのですか?」

「思い出したのじゃ、わしの息子が小さい頃の事を……。
こうやって、毎日、おんぶにだっこにかたぐるまをしてやったものじゃ。それはそれは……。うるうる」

「楽しい時間を過ごしたんですね」
「ああ、あの頃は楽しかった……。うるうる……。なあ、人間よ、お願いがあるのじゃ」
「はあ?」
「あの、その、もう一度、やらしてくれんか?」
「おんぶにだっこにかたぐるまですか」
「ああ、お前がよければのお願いだが……」

「もちろん、喜んで!」

「いくぞーおんぶだー」
「わーい」
「だっこだ」
「わーいわーい」
「かたぐるまだ」
「わーいわーいわーい」

「もう一回いくか!!!」
「わーい」
「さあ、もう一回!!!!!!」
「わーいわーい」

かくして三十七歳のおっさんと、二千八百歳の神様の戯れは、とめどもなく続きました。


<おまけ>
美談といえば美談だけど、二人?の姿を想像すると、そうでもないような気がします。



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なわない 【おとなの絵本】

Author:なわない 【おとなの絵本】

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「うらない」じゃなくて、「なわない」
うらないとかに頼らずに、自分でなわなう。
うらなわないから、なわない。

おとなの絵本の作者です。





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